
はじめに ― なぜ今 “社内問い合わせ削減” なのか
社内連絡ツールで飛び交う「この手当って何ですか?」「就業規則どこにありますか?」という日々の質問――
忙しい人事の皆さんにとって、“社内問い合わせ対応”は見えづらいけれど確実に時間を奪う業務のひとつです。
特に、少人数体制や兼務で人事を担当されている方であれば、その負担を肌で感じているのではないでしょうか。
FAQを整備しようとしても時間がない
社内Wikiを作っても結局誰も見てくれない
毎回同じ説明を繰り返して疲弊する
こうした課題に対し、生成AIを活用したFAQチャットボットが今、現実的な解決策として注目されています。
なかでも今回ご紹介する「NotebookLM」は、コード不要・無料で、手持ちのドキュメントからチャットボットを構築できるGoogleのAIツールです。
本記事では、NotebookLMを活用して、人事部門によくある問い合わせを自動で応答できるチャットボットをステップ形式でわかりやすくご紹介します。
NotebookLM とは?
NotebookLMは、Googleが提供する生成AIツールで、アップロードした資料をもとにチャット形式で情報を引き出せるサービスです。

「ドキュメント × チャット」のいいとこ取り
NotebookLMの特長は、手元にあるPDFやGoogleドキュメント、スライドなどをアップロードするだけで、その内容を即座に理解・整理し、チャット形式で質問ができる点です。
使い方のイメージ
社内の就業規則(PDF)をアップロード
「副業制度ってどこに書いてある?」と聞くと
NotebookLMが該当ページを引用して説明してくれる
コード不要・無料で使える(2025年4月時点)
NotebookLMは、Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用可能です。
技術的な準備は一切不要で、資料をドラッグ&ドロップするだけですぐに利用できるため、人事担当者でも簡単に使い始められます。
NotebookLMを使ったFAQチャットボット構築実践
では、ここからは 実際にNotebookLMを使って、社内FAQチャットボットを構築する手順 をご紹介します。
ステップ1:社内規則に関する資料の整理
まず、NotebookLMに答えてほしい内容が含まれたドキュメントを準備しましょう。NotebookLMは以下のような形式に対応しています:
PDF / txt / Markdown / 音声ファイル / Google ドキュメント / YouTube など
今回は例として、4ページほどの簡易的な就業規則をPDFで用意しました。

就業規則だけでなく、産休・育休の取得方法や福利厚生制度など、ライフイベントに関わる社内ルールにも活用できます。
また、複数ファイルに分かれていてもまとめてアップロードできるため、1つのファイルに統合する必要はありません。
ステップ2:NotebookLMに資料をアップロード
ドキュメントの準備ができたら、NotebookLM公式サイトにアクセスし、Googleアカウントでログインします。

「+ ノートブックを新規作成」をクリックし、アップロード画面が表示されたら、用意した就業規則をアップロードします。

数秒で内容が読み込まれ、ドキュメントの概要が自動生成されます。
NotebookLMでは、チャット形式で質問できるだけでなく、以下のような機能も利用できます。
AIによるFAQ自動生成
マインドマップの作成
英語のみ対応の音声要約機能(ポッドキャスト形式)
日本語対応の今後のアップデートにも期待が高まります。
実際に「試用期間は何ヶ月ですか?」と質問してみたところ、該当内容に基づいた正確な回答が返ってきました。

さらに、どの部分を参照して回答したのかも確認できるため、信頼性のある運用が可能です。

ハルシネーション(誤情報生成)対策にも有効
生成AIを導入する際に懸念されがちな「ハルシネーション(事実とは異なる回答)」も、NotebookLMなら情報の出典を明示できるため、安心して利用しやすいのが特長です。
ステップ3:社内にチャットボットを共有
作成したチャットボットは、メールアドレス単位でアクセス権を設定し、URLを共有するだけで社内に展開できます。
ノートブック右上の「共有」ボタンをクリック
利用したいメンバーのメールアドレスを入力
社内WikiやSlack、Teamsなどにリンクを貼り付けて運用可能
NotebookLMを使えば、社内ナレッジを活用したチャットボットの作成・共有が、誰でも簡単に実現できます。
よくある質問(FAQ)
Q. NotebookLMのチャットボットはSlackやTeamsと連携できますか?
A. 現時点ではNotebookLM自体にSlackやTeamsと直接連携する機能はありません。ただし、FAQチャットのリンクをSlackのピン留めやチャンネルに貼っておくことで、実質的に同様の使い方ができます。今後のアップデートに期待しましょう。
Q. 機密情報が含まれていてもNotebookLMにアップロードしても大丈夫ですか?
A. NotebookLMはGoogleのサービスであり、アップロードされたデータはGoogleのプライバシーポリシーに準拠して取り扱われます。ただし、外部クラウド上で処理されるため、機密度の高いデータは各種サービスの利用規約をご確認の上、社内のルールに従って慎重に判断してください。
Q. 社内の複数部署でも使いたい場合、どうやって管理すればいいですか?
A. ノートブックごとに権限を設定できるため、部署ごとにドキュメントを分けてアップロードし、対象メンバーにのみ共有する運用がおすすめです。
Q. チャットボットの内容が古くなった場合、どうすれば更新できますか?
A. ドキュメントを差し替えるか、新しいノートブックを作成することで簡単にアップデートが可能です。編集後も共有URLは変更されないため、再配布の手間が少ない点も魅力です。
まとめ ― NotebookLMで“問い合わせ対応”の負担を削減しましょう
人事の大きな課題である「同じ質問への繰り返し対応」。
NotebookLMを活用することで、この負担を大幅に削減できます。
コード不要
無料で利用可能
社内資料をもとにした信頼性の高い回答が可能
まずは就業規則や福利厚生関連の資料からスタートし、少しずつ対象ドキュメントを広げていくことで、
“人が教える”から“AIがサポートする”環境へと移行していけます。
ぜひ一度、NotebookLMを試してみてください。
この記事を書いた人

#AI活用人事 八百(やお)
2020年に新卒で株式会社フィードフォースにデータサイエンティストとして入社。自社プロダクトの成果改善のための分析業務に従事。その後、生成AIを活用した新規事業開発に携わるようになり、現在はAIを活用した求人原稿作成サービス「求人IQ」の開発を実施している。












