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導入事例インタビュー
「doda」を動かす、インハウス・アウトソースのハイブリッド広告運用。
テクノロジーへの理解から予算配分まで、トップマーケターの視点とは
パーソルキャリア株式会社
P&M本部
マーケティング統括部 ブランドコミュニケーション部 デジタルマーケティンググループ 兼
カスタマー戦略統括部 カスタマー企画部 ビジネスプランニンググループ
榊原 善人 様
(写真左から、榊原様、フィードフォース 喜多)
パーソルキャリア株式会社
https://www.persol-career.co.jp/
人材紹介サービス、求人メディアの運営、転職・就職支援、採用・経営支援サービスなどを展開する。業界最大級のブランド「doda」には累計540万人が登録(2020年2月末時点)。2017年に株式会社インテリジェンスから社名を変更。
「doda」(
https://doda.jp/
)のデータフィードを、広告代理店と一緒に運用しているパーソルキャリア様。広告代理店に丸投げしないハイブリッドな運用体制や、マス広告も含むマーケティング全般の考え方について、テクノロジーも理解しつつ事業的観点も重視される デジタルマーケティング スペシャリストの榊原 善人様にお伺いしました。
目次
インハウスかアウトソースか、"どちらか"ではなく"どちらも"
一番良かったのは、広告主・広告代理店双方のアイテム理解が進んだこと
広告主は、クリエイティブ、データ、テクノロジーを理解する責任がある
運用して初めて、データフィードツールの重さが問題に
データフィードではプロスペクティング配信が重要。見えにくい「認知」系領域へも予算を配分
事業への貢献度を可視化し、事業を捉えたマーケティングをしていきたい
インハウスかアウトソースか、"どちらか"ではなく"どちらも"
―早速ですが、広告運用体制についてお教えください。
デジタル広告の運用は基本的にアウトソースしていて、広告代理店にお任せしています。ただし
全部丸投げするのではなく、弊社も広告主としての視点で、事業に近いところにいないとわからない情報をもとに、企画や改善施策を提案します
。
よく、インハウス・アウトソースは「どちらがいいか」という極論になりがちですが、それぞれにメリット・デメリットがあり、個人的には、
"どちらか"ではなく、"どちらも"
だと思っています。
広告運用体制は、「これが良い」という正解があるわけではなく、事業や組織のフェーズによって最適な形が異なります。比較的小回りが効く組織ではインハウス運用が向いていることも多いですが、事業や組織の規模が大きくなると、広告運用に社内の工数を割くことは難しくなってきます。
また、インハウス・アウトソースどちらにしても
高いレベルを目指すと属人化するリスクがあるので、そのリスクをどう分散するか
、も重要なポイントだと思います。
私たちは
「この部分はインハウス、ここはアウトソース」のような、ハイブリッドに役割分担をする体制
にしています。広告運用は「餅は餅屋」で広告代理店にお任せしつつ、可能な限り広告主が事業の情報を共有し、こちらとしても広告のテクノロジーに関する理解を進めることで、なるべく同じ視点を持つように心がけています。
一番良かったのは、広告主・広告代理店双方のアイテム理解が進んだこと
―dfplus.io のアカウントを広告代理店様と共有されていますが、これも「同じ視点」を持つためでしょうか。
そうですね。弊社側のメンバーがきちんとデータフィードを理解するためにも、アカウントを共有しています。広告主も広告代理店も使えた方がスピード感が出るというメリットもあります。
ただ、
dfplus.io を導入してみて一番良かったのは、アイテム(求人情報)の理解が進んだこと
です。実際の求人データや最適化後のデータフィードを確認でき、更に手元にダウンロードすることもできるなど、
アイテムが可視化されているおかげ
です。
求人情報はセンシティブですし情報量も多いので、理解するのは中々難しいのですが、dfplus.io で求人データを確認することで、私たちも広告代理店も非常にアイテムの理解が進みました。データフィードマーケティングにとって、
アイテムは「ユーザーに見える部分」ですので、その理解が無ければコミュニケーションはできません
。例えばシステム部門にデータフィードを全て任せていたら、手元で簡単に把握することはできないので、その差は大きいと思います。
―広告主様側にとっても、アイテムが可視化されることはメリットが大きいものなのですね。
他にも、dfplus.io はプレビュー画面で、操作をしながら広告のクリエイティブがすぐわかるのが良いです。
データフィード媒体は、意図しない表示になってしまうことも多いですし、そうなったとしても気づきづらい
ですよね。dfplus.io のプレビュー画面は、失敗するとすぐわかります。
また、これは国内製品ならではのポイントだと思うのですが、ヘルプも充実していてわかりやすいので、自力で調べながら設定を進められました。
* dfplus.io のプレビュー画面は他社ツールとの大きな違いです。
詳しい資料はこちら
広告主は、クリエイティブ、データ、テクノロジーを理解する責任がある
―閲覧するだけではなく、実際にdfplus.io をお使い頂いているんですか?
dfplus.io では最初にマスターデータを連結し、200カラム位の項目を設定したり、データフィードを試しに作ってみたりしました。
デジタルマーケティング分野は何でも一回使ってみた方がいいと思っています
。実際に運用する必要まではないですが、仕組みがわかる程度には経験することが重要です。
経験値の「0」と「1」の差は非常に大きい
ですから。
広告主の中には、意外と
クリエイティブ・データ・テクノロジーを理解しないまま運用している方も多いですが、それらの理解には責任を持つべき
です。ユーザーとサービスをつなぐコミュニケーションがマーケティングですから、ユーザー理解、サービス理解と同様にコミュニケーション手段の理解もしっかりしないといけません。
また、
クリエイティブ・データ・テクノロジーには相互に"重なり"が存在する
ので、各領域のプロフェッショナルであっても、他の領域を知らないために、うまく融合しないケースが多いと感じています。自分の強みとする部分だけでなく、少なくとも周辺分野と重なる部分については知っておかないと、データドリブン、施策ドリブンな状態にはなっていかないと思います。
広告主が広告運用に関して知識を持つことは、広告代理店によっては担当しづらい面もあるかもしれませんが(笑)、高いレベルを目指すなら絶対に必要なことです。
広告主の理解が不十分だと、気がついたら特定の媒体や特定の配信手法を「実施すること」までが目的となり、手段が目的化する事態にもなりかねません。本来の目的は「実施してどうしたいか」のはずです。
利用前も転職後も、「doda」を通じてはたらくことにポジティブになってほしい
―マーケティング手法よりも目的が大事ということですね。
―「doda」のマーケティングについても教えて頂けますか。
昨今、ユーザーとの接点は分散化・多様化していますし、「doda」との関わりについても、サービス利用前・利用後・転職前・転職後と、色々な段階があります。
こうした中で、
どの接点、どの段階においても、「doda」を通じてはたらくことに対してポジティブになって頂けるよう
、カスタマーセントリック・ユーザーファーストな視点を重視してコミュニケーションを考えています。
ここ10年余りで色々なアドテクノロジーの進化がありましたが、それらはマーケティングの進化というよりも「手段の進化」だったと思います。改めてマーケティングとは何か、というところに立ち返って考え、
サービスとユーザーをつなぐコミュニケーションの最適化
を考えたいと思っています。
「doda」では、転職活動中だけでなく、転職しようか迷っている段階や、転職後の悩みについてもコンテンツを用意している。 (
https://doda.jp/intro/
)
データフィードではプロスペクティング配信が重要。見えにくい認知領域へも予算を配分
―色々な接点がある中で、データフィード媒体はどのように位置づけられていますか。
難しいですね……。データフィード媒体は、転職に対して非常にモチベーションが高い方が集まる外部の接点ですので、そこでいかに新たな発見や気づきを与えられるかがポイントだと思います。
特にプロスペクティング配信(サイト未訪問のユーザーへの配信)が重要
で、初めて接点を持つ方に対して、いかに最適なコミュニケーションを行えるか、求人情報を提供できるかがミソではないでしょうか。「求人を探す手助けをする」という考え方ですね。
どんなWebサービスもそうだと思うのですが、ブランディングとアクイジション、アッパーファネルとローワーファネルをどう繋ぐかや、予算アロケーションはとても難しい課題です。デジタル領域は数字が見えることもあり、
運用系広告では「数を取る」になりがちですが、認知領域は効果が見えづらい
。マス広告なども含めるとなおさらです。見えない部分を可視化したり、見えづらい領域にも配分することが必要ですし、私たちもそこに取り組んでいるところです。
―「CPAを下げる」よりもひとつ上のレイヤーで最適化を考えられているのですね。
事業への貢献度を可視化し、事業を捉えたマーケティングをしていきたい
―今後、取り組みたいことは何でしょうか。
私がパーソルキャリアに入社した2010年以降、アドテクノロジーの進化、リーマンショック後の市場活性化、デジタルシフト、働き方改革に代表されるような「働くこと自体」の変化など、様々な変化に合わせて取り組んできた10年間だったのですが、今後も5GやAI・機械学習などテクノロジー進化は止まらないので、それらをうまく活用して、オートメーション・最適化していきたいと思います。とくにオートメーションには力を入れていきたいですね。生活者の変化も引き続き起こっていますので、その波に流されないように、乗っていきたいです。
また、いちマーケターとしては、
事業を捉えたマーケティングをしていきたい
ですね。マーケティングはともすれば「やって満足」になりがちですが、マーケティングと事業はしっかりと接合しなければいけないものですので、事業に対する貢献度を常に可視化していきたいと考えています。
―ありがとうございました!
※この事例の内容は、2020年1月に実施したインタビューに基づいて作成しました。
※事例の内容は掲載時点のものです。
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