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2026/3/9 08:00

【中古車販売向け】ダイナミック広告とデータフィードで集客を最大化するポイント

セミナーレポート

本記事では、中古車販売におけるダイナミック広告とデータフィード活用セミナーの内容をもとに、中古車販売におけるダイナミック広告とデータフィードの活用に焦点を当て、その全体像から成果を出すための具体的なポイントを網羅的にご紹介します。

1.中古車購買行動の変化

来店前に「候補」が決まる時代

中古車を探している方は、来店するより前に、予算感や希望の車種、年式、走行距離などを多角的に検討し、ある程度「これが良さそうだ」と目星をつけている状態で店舗に足を運ぶのが一般的です。

2024 年に行われた一部の調査では、中古車購入者の実に 70% が来店前にすでに購入候補を特定済みであり、比較検討の大半がオンラインで完結しているという結果が示されています。

在庫情報と集客の重要性

現代の消費行動において、オンラインで比較検討される在庫情報をいかに充実させるかが、集客の成否を分けます。

例えば、車両画像の画質が粗かったり、詳細情報が不足していたりすると、検討の土台にすら上がってこない可能性があります。

また、同一店舗で中古車をリピート購入する割合は約 20% 程度という調査もあり、継続的な来店促進には工夫が求められます。

一方で、中古車販売における集客は容易ではないという実情も存在します。

ある調査では、約 40%の販売店が「来店数が増えない」と回答し、約 30%の会社が集客が不調と感じていると報告されています。

このように、見積もり依頼や店舗予約が増えづらい状況下で、生活者が来店前に「在庫単位」で徹底的に調べて目星をつけているという事実を踏まえると、非常に重要になってくるのが「在庫と連動させた広告」です。

中古車販売に関しては、Instagram の活用など多岐にわたるマーケティング手法がある中で、本記事ではこの「在庫と連動させた広告」に焦点を当てて解説を進めます。

2.ダイナミック広告の全体像

ダイナミック広告とは

ダイナミック広告とは、端的に言えば「ユーザーごとに最適な在庫を自動で配信できる広告」を指します。

具体的には、ユーザーの閲覧履歴や興味関心に基づいて、そのユーザーにぴったりの車の画像、モデル名、価格といった情報を自動的に生成し、広告として表示する仕組みです。

一度自社の Web サイトで閲覧した車両が、サイトを離脱した後に訪れた別のブログやニュースサイトなどで再度表示されたり、閲覧履歴から関連性の高いおすすめ車両が表示されたりするイメージです。

多くの方がダイナミック広告に対して「リターゲティング」、つまり一度サイトを訪れたユーザーに対して広告を配信するイメージを持たれるかもしれません。

しかし、現在のダイナミック広告はそれだけに留まりません。

まだ自社サイトに来ていない「未訪問者」に対しても、在庫単位で商品を提示することができます。

例えば、Criteo(クリテオ)のようなプラットフォームでは、「Prospecting」や「Lookalike」といった機能を利用することで、自社サイト訪問者に属性が類似するユーザー層へおすすめ商品を配信する手法が一般的になっています。

ダイナミック広告と特に相性が良い業界は、取り扱い商品数が非常に多い分野です。

具体的には、EC サイト、人材紹介、不動産、そしてまさに「中古車業界」がこれに該当します。

代表的なダイナミック広告媒体

ダイナミック広告を配信できる媒体は複数ありますが、特に代表的なものを2つご紹介します。

1.  Criteo(クリテオ)

ダイナミック広告の分野では Criteo が非常に有名で、あらゆる業種で幅広く利用されています。

Web 上の非常に広範な配信面をカバーしており、多くのユーザーにリーチできる点が特徴です。

2.  Meta(Facebook/Instagram)

Meta 広告は、Facebook や Instagram のアプリ内のフィードやストーリーズに、アイテム単位で広告を配信できます。

Meta はユーザーの居住地や年齢といった詳細なデモグラフィック情報を持っているので、これを活用したダイナミック配信が可能です。

実際のクリエイティブ事例としては、車両画像、モデル名、価格などが表示される形が一般的です。

Meta 広告であればカルーセル形式を採用し、横にスクロールすることで最大で 50 商品ほどを一度に並べて表示することも可能となっています。

これらの他にも、Google、Yahoo!、Logicad、RTB HOUSE、LINE、TikTok、X(旧Twitter)など、様々な媒体で車両在庫単位の広告配信が可能になっています。

Web サイト中心のディスプレイ広告もあれば、SNSアプリ内に特化したものもありますので、自社で扱う車両が軽自動車か外車か、どのようなターゲット層に訴求したいかといった点に合わせて、最適なダイナミック広告を選定することが重要です。

ダイナミック広告実施に必要な「データフィード」

ダイナミック広告を実施するためには、「データフィード」と呼ばれる仕組みが不可欠です。

データフィードとは、販売店様が保有する在庫データを、各広告媒体が指定する形式(例えば CSV や XML など)に変換し、継続的に送信するものです。

中古車の在庫は日々変動しますので、一度作成して終わりではなく、毎日しっかりと更新されたデータを媒体に送ることが非常に重要です。

ダイナミック広告の検討/提案から配信開始までの流れは、大きく以下の8段階で進められます。

  1. 媒体選定:どの広告媒体で配信するかを決定します。

  2. 在庫データの確認:自社が保有する在庫データが、広告配信に利用できる状態にあるかを確認します。

  3. データフィード要件定義:選定した媒体の仕様に合わせて、データフィードの項目や形式を定義します。

  4. データフィード作成:要件定義に沿って、データフィードを作成します。

  5. タグ設置:どのユーザーがどの車両を閲覧したかというID情報を媒体側に送るためのタグ設定が必要となります。通常のコンバージョンタグとは別に必要で、この設定はやや複雑になる傾向があります。

  6. データフィードアップロード:完成したデータフィードを指定のサーバーへアップロードします。 

  7. 配信設定:キャンペーン作成などを行います。

  8. 配信開始:広告の配信が開始されます。

3.成果が出るフィードの条件

ダイナミック広告で成果を出すためには、どのような視点が重要になるのでしょうか。

結論から言うと、成果を大きく左右するのは「設計」です。

具体的には、クリエイティブ、カテゴリー(エンジン学習)、そして、カテゴリ(入札強弱)という3つの視点が需要になります。

1. クリエイティブ

どちらのクリエイティブが伝わりやすいでしょうか?以下の2つの例を比較してみましょう。

  • クリエイティブ A:シンプルなクリエイティブ

    メーカー名とモデル名のみを記載し、価格も数字を羅列しただけのシンプルな表示です。

  • クリエイティブ B:工夫が凝らされたクリエイティブ

    広告枠を最大限に活用し、走行距離や年式といった車両の詳細情報を盛り込んでいます。

価格は「1,000,000 円」のように0が多いと見づらいため、「100 万円」と漢字でまとめる工夫を施しています。さらに、どこで扱っているかを示すエリア情報(例:「東京」)を入れたり、「新着」バッチを付けたりといった工夫も効果的です。

クリエイティブ作成の基本は「1秒で伝わる工夫」を意識することです。

タイトルに最も重要な情報が含まれているか、ユーザーが必要とする情報が不足なく表示されているか、Criteo のような媒体であればオプション機能を活用して視認性を高めているか、といった点がポイントになります。

2. カテゴリ(エンジン学習)

カテゴリー設定は、広告媒体のレコメンドエンジンの学習に深く関与します。

レコメンドエンジンは、ユーザーが過去に閲覧した商品や、それらと同じカテゴリーに属する商品群の中から、最適なものを判断して広告として配信します。

推奨されるカテゴリー設定方法は、ユーザーの意向を表現する「異なる 3 つの軸」を設定することです。

同一性の高い情報ではなく、それぞれが独立した意味を持つ軸を設定することが重要です。例えば、「ボディタイプ」「メーカー」「価格帯」といった組み合わせが考えられます。

失敗例としてよくあるのは、カテゴリーの「値」が細かすぎることです。

例えば、価格を 10 万円単位で細かく区切りすぎると、カテゴリーの数が細かずぎて学習がうまく作用しづらくなります。

また、中型車・大型車といった抽象度の高いボディタイプと、SUV・セダンといった具体的なボディタイプを混ぜて、同じ軸で学習させてしまうのももったいない使い方です。

理想的な設定例としては、以下のような形が挙げられます。

* 例 1: 「ボディタイプ」「メーカー」「価格帯(50 万円単位)」
* 例 2: 「走行距離」「年式帯(直近 1 年、3 年、5 年など)」「都道府県」

例 2 は、場所や車両の新しさにこだわるユーザーを想定した入れ方であり、これも一つの正解と言えるでしょう。

3. カテゴリ(入札強弱)

入札で強弱をつけたい独自の情報があれば、それを使っていくことで KPI 達成を目指すことが可能です。

例えば、「なかなか売れない在庫」を強化したい場合を考えてみましょう。

データフィードに「販売開始後経過日数」という情報を含めることで、「入荷後 1 週間以内の新着車両を強化する」といった戦略や、逆に「1〜2 ヶ月経っても売れ残っている車両をまとめて強化する」といった運用が可能になります。

また、複数店舗を運営している場合は、特定店舗の売上の進捗が悪い場合にその店舗の車両を重点的に強化するといった運用も実現できます。

4.海外の Vehicle Ads 事例

ここで、ダイナミック広告とは少し異なる視点から、Google が提供する新たな広告フォーマットである Google 車両広告(ビークルアズ)の事例をご紹介します。

Google 車両広告は、ユーザーが Google 検索で「プリウス 中古」などのキーワードで検索した際に、検索結果のトップに車両画像やモデル名、価格、取り扱い店舗情報などが非常に詳細に記載された形で表示される広告です。

現在、海外ではすでに誰もが配信できる状態ですが、日本国内では現在クローズドベータ版として、提供されています。

直近の状況では、大手中古車メディアや大手販売店様がテスト的にこの広告を出稿している段階です。

Google 車両広告には、以下のような3つの特徴があります。

  • 購入意欲の高いユーザーに表示される:具体的な車両を探している、購入意欲の高いユーザーにリーチできるため、高いクリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)が期待できます。

  • 写真・詳細情報で効果的にアプローチできる:車両の写真とともにユーザーにとって重要な情報が表示されるため、効果的です。

  • 店舗近くのユーザーに来店・試乗予約を促す:店舗の位置情報と連携できるため、ユーザーの現在地から半径何キロ以内といった、エリアターゲティングが可能になります。

海外では、従来のリスティング広告と比較してコンバージョン数が 30〜50%増加したという成果も報告されており、期待感の高さがうかがえます。

出稿条件としては、非商用の乗用車のみ(トラックなどの商用車は不可)が対象となりますが、新車・中古車ともに広告として出稿することが可能です。

広告出稿までの 5 ステップは以下の通りです。

  1. アカウントの作成・連携:各種アカウントの作成・連携をします。

  2. 店舗情報を提供:Google に店舗情報を提供します。

  3. 車両広告アドオンの有効化:通常 EC サイト向けに利用される Google マーチャントセンターを、自動車用として有効化してもらう必要があります。

  4. 車両データフィードの作成・アップロード: 広告に表示する車両情報をデータフィードとしてアップロードします。

  5. 車両広告キャンペーンの有効化:P-MAX キャンペーンを作成し、車両広告の配信を有効にします。

これら全ての準備が整うと広告配信が開始されます。

国内でいつ正式リリースされるかはまだ正確には不明ですが、この広告が広く普及すれば、中古車販売店が自社サイトに直接ユーザーを誘導できる、非常に強力な手段となることは間違いありません。

マーケティングのあり方に大きな影響を与える可能性を秘めているため、今後も注目していくべき手段と言えるでしょう。

データフィードの管理環境の重要性

ダイナミック広告にも Google 車両広告にも、共通して「データフィード」は必要不可欠です。

しかし、単にデータフィードを作成すれば良いというわけではありません。

いかに効率的かつ正確にデータフィードを「管理」できるかが、広告運用の成否を分けます。

データフィードの管理環境において重要なポイントは以下の通りです。

  1. 自動更新ができるか

  2. データフィード設定・変更が容易にできるか

  3. 属人化せずに管理できるか

  4. エンジニアのリソースを圧迫しないか

  5. 媒体情報を良く知り、相談できるパートナーがいるか

株式会社フィードフォースでは、このようなデータフィード管理の課題を解決するため、「dfplus.io」というデータフィード管理ツールを提供しています。

このツールでは、中古車の在庫データを取り込み、どの在庫情報をタイトルや他の広告項目にマッピングするかを簡単に設定できます。

まとめ

中古車販売におけるダイナミック広告とデータフィードの活用について、その重要性から具体的な運用ポイントまでを解説いたしました。

ダイナミック広告は、ユーザーの興味関心に合わせて最適な在庫を自動で配信できる、現代の集客において非常に強力なツールです。

そして、今後普及が期待される Google 車両広告も、購入意欲の高いユーザーに直接アプローチできる非常に効果的な広告として注目されています。

これらの広告は、もはや「やらない手はない」という形になってくるはずです。

これらの広告を効果的に運用するために共通して必要となるのが、「データフィード」です。

もし今後ダイナミック広告や Google 車両広告を検討したいとお考えであれば、お客様がお持ちの在庫データを「すぐに使える状態」に準備しておくことが第一歩となります。

ポータルサイトへの登録業務とは異なり、ダイナミック広告や Google 車両広告のデータフィードでは、1 日に少なくとも 1 回はデータを更新し、CSV などの形式で広告媒体へ連携するフローが必要になります。

この「既存の業務フローとは異なる」データ連携の仕組みを構築することが、最初のハードルとなるかもしれません。

しかし、この部分に対応し、データフィードを適切に管理・運用できれば、非常に効率的に、かつ成果につながる広告配信が可能になります。

まずは自社の在庫データがどのような状態にあるかを確認してみることを強くお勧めいたします。

Q&A

Q 1:ダイナミック広告は、新規ユーザーの獲得にも使えますか?

A:はい、ご活用いただけます。昨今ではまだサイトに訪問していないユーザーへの配信も一般的に行われています。

他の媒体(Criteo など)ももちろん利用可能ですが、実際の運用者からは、特に Meta(メタ)の新規向け配信の成果が良いと聞いています。

そのため、まずは Meta からお試しいただくのがおすすめです。Meta はデモグラフィック(属性)情報が正確に登録されているため、その強みが活かせているのだと考えています。

Q 2:ダイナミック広告を始めるにあたって、一番つまづきやすいポイントはどこですか?

A:「在庫データの確認」と「データ更新の自動化」がネックになりやすいポイントです。

具体的には、画像データがすぐに広告として使える状態になっていないケースなどが挙げられます。また、データを 1 日 1 回しっかりと更新していくことを考えると、システム開発を行って自動化するのがベストです。しかし、そこにある程度の開発費がかかってしまう点が、導入時のつまづきポイントになりやすいと考えられます。

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