広告代理店様向け Google・Criteo EC 案件で今日から使えるデータフィード広告改善提案の考え方【初級編】

EC サイトの売上向上において、データフィード広告は今や不可欠な存在です。
しかし、「データフィードの改善提案に悩んでいる」「クライアントへの具体的な提案方法がわからない」といった課題を抱えている広告代理店様も少なくありません。
本記事では、広告代理店様向けに行ったセミナーの内容をもとに、Google ショッピング広告や Criteo を活用している皆様に向けて、データフィード改善の具体的な考え方と、今日から実践できる提案のコツを詳細に解説します。
データフィードの改善ポイントを深く理解し、広告成果を向上させるための実践的な提案力を身につけるための一助になれば幸いです。
データフィードの市場概況
まず、データフィードの市場概況について見ていきます。
dfplus.io をご利用のお客様の 1 アカウントあたりの平均フィード数は「4.1」というデータがあります。
複数のフィード活用が EC 業界のスタンダードとなっていることがわかります。

EC サイトにおける主なフィード活用先としては、Google ショッピング広告のような検索連動型の広告をはじめ、Meta や TikTok などの SNS カタログ配信、Criteo などレコメンド系のダイナミック広告が挙げられます。
データフィード施策だけでもチャネルごとに多種多様な展開が可能です。
データフィードを扱えることは、それだけ提案の「手札」が増えることにつながります。
業界ごとの媒体利用率を見てみると、Google が最も人気が高く、次いで Meta、Criteo が並んでいます。

このように複数の媒体を活用される広告主様が多い状況ですので、広告代理店様からの提案の際も、新規媒体の提案というよりは、すでに実施中の広告の改善提案が多くなるのではないでしょうか。そんなときに本記事をお役立ていただければと思います。
Google ショッピング広告と Criteo のおさらい
Google ショッピング広告の概要
Google ショッピング広告は、EC サイトにおいて鉄板とも言える広告形式です。

ユーザーが商品を検索した際、検索結果のトップに画像付きで商品をアピールできるのが特徴です。
高いクリック率:検索結果のトップに表示されるためクリックを集めやすいです
高い CVR(購入率):リンク先が直接商品ページになっているため購入率も高まります
キーワードのカバー範囲が広い:Google マーチャントセンターに登録された商品情報に基づき、検索語句とのマッチングが行われ、リスティング広告と比較して、カバーできる検索ボリュームが多い点も特徴です
Criteo の概要
Criteo は、ユーザーの行動履歴や好みに応じて商品を自動で配信するダイナミック広告です。
よく閲覧した商品が別のサイトで広告として表示される経験があるかと思いますが、この仕組みが Criteo 広告の典型的な例です。

高性能な機械学習エンジン: 直近でユーザーが閲覧した商品やカートに入れた商品などのデータをリアルタイムに学習し、コンバージョンしやすい商品をユーザーごとにレコメンドします
豊富なクリエイティブ: 数あるクリエイティブパターンの中から、ユーザーにとって最適な形で広告を配信します
豊富な配信量: Yahoo! JAPAN をはじめ、世界中の広告ネットワークと連携しており、有利な配信先を多く持っています
データフィードが広告成果を左右する理由
EC サイトの広告運用において Google ショッピング広告も Criteo も、「データフィード」が非常に重要な役割を担っています。
データフィードとは、各企業が保有する商品データを Google や Criteo といった広告媒体の仕様に合わせて変換し送信する仕組み、あるいはその変換後のデータそのもののことを指します。

広告におけるデータフィードの主な役割は、広告クリエイティブの構成要素となることです。
データフィードの中身には、タイトル、金額、ブランド、画像といった広告クリエイティブを構成する要素が全て含まれています。
そのため、データフィードの中身の設定次第で広告成果は大きく変わってくるのです。
クリエイティブのほぼ全てを構成するだけでなく、データフィードの内容をもとに機械学習が行われるため、データフィードの運用が広告成果を大きく左右すると言えるでしょう。

逆に広告代理店様側でできることは、他の施策と比較するとかなり限定的です。
広告代理店様からは、「データフィードの改善をクライアント任せにしていて、だんだん打てる手がなくなってきた」「それが原因で解約やインハウス化につながってしまう」といった悩みをよく耳にします。
このような事態を避けるためには、広告を提案する段階でデータフィードの改善をしっかりと行っていくことを前提に、クライアント様とお話しすることが重要です。
データフィードの活用度合いは、以下の 4 つのステップで整理することができます。
もしクライアント様が後半の 3 ステップ目や 4 ステップ目、つまりデータのチューニングまでやりきれていない場合は、本記事で学ぶ内容を踏まえて、新たな提案を検討してみてください。

データフィード改善提案の考え方[初級編]
データフィードの改善提案のチェックリスト[初級編]
今回の内容は初級編のため、まず押さえたい基本的な改善ポイントをご紹介します。
弊社にてデータフィードの改善提案を行う際、まずは以下のチェックリストの内容をベースに検討します。

各施策がインプレッション、CTR(クリック率)、CPC(クリック単価)、CPA(獲得単価)といった広告成果のどの指標に影響するかを意識しながらご覧ください。
改善点を考える際に用意すべき 4 つの情報
改善提案を考える際は、以下の 4 つの情報を参照しながら進めていきます。
クリエイティブ: 実際に掲載されている広告の掲載面
配信中のデータフィード: 各媒体の仕様に合わせて変換・加工された広告用の商品データ
サイト: 広告遷移先の対象となるサイト
マスターデータ: データベースから出力されたフィード変換前の商品データ

[title]の場合(Google ショッピング広告)
[title]改善の確認ポイント:
実際に [title]改善を考える際は、現状の [title]が以下のポイントを満たしているかどうかに着目します。
ブランド、サイズ、色などの商品の特徴を表す情報がしっかりと含まれているか
英語表記の場合、カタカナ表記も併記されているか
ユーザーが検索しやすいキーワードと一致したものがタイトルに含まれているか
設定した [title]が全て表示されるわけではないため、前半 10 数文字の中にクリックを誘発するような重要な情報が入っているか

具体的な改善提案の検討プロセス:
1. 競合商品との比較を行う
商品名やブランド名、サイト名などで検索し、競合商品と並んで掲載された際にどのように表示されるかを確認します
見るべきポイントは、横並びで見たときに情報量に差があるか、クリックしたくなるような魅力があるか、といった点です
例えば、「パーカー専門」という競合サイトの広告に「グレー、M、メンズ」といったサイズやカラー情報が追加されている場合、情報量で差をつけられていると判断できます
2. 商品ページの確認をする
リンク先となる商品ページを確認し、まだ広告としてアピールできていない情報がないかを探します
元の商品 [title]と広告用の [title]を比較し、情報量の差を確認します
サイズ、カラー、素材など、商品の特徴を見ながら追加できそうな情報がないかを探します。この段階で「こんな情報を追加できそう」というイメージを持っておくと良いです
3. マスターデータの確認:
データ変換元となる商品データ(マスターデータ)を確認し、先ほど立てたアイデアがそもそも実現可能なのかを確認します
例えば、サイズやカラー、性別情報などをタイトルに追加しようと考えている場合、それらの項目がマスターデータ上で独立したカラムとして存在しているかを確認します。独立したカラムがあれば、それらの項目を [title]に追加することで改善が見込めると判断できます
4. ビフォーアフターでの整理とメリット補足:
マスターデータまで確認できたら、ビフォーアフターの形で整理することで非常に分かりやすくなります
今回追加した性別、色情報、サイズ情報などについて、それらを追加することで広告成果上どのようなメリットがありそうなのか、補足情報として記載しておくと良いです
例えば「サイズ・カラーといった商品情報の追加」によって「検索とのマッチ率を高める」、「正式表記のブランド名」によって「信頼性を向上させる」、「冒頭に『公式』と付与」によって「公式ストアであることをアピールする」などのことが補足情報として記載できます
[title]改善による広告成果向上事例(1):ブランディングテクノロジー様
商品 [title]の冒頭に「公式」というワードを追加したり、英語表記をカタカナ表現にしたりして、ユーザーの検索語句にマッチしやすくする改善を実施
結果、コンバージョンが 2 倍、CPA が半減するなど、大幅な広告成果の向上が見られました

[title]改善による広告成果向上事例(2):CEORY 様
表記の統一や、ユーザーのニーズ(「人と被りたくない」など)を捉え「デザイナーズ」といった魅力的な訴求ポイントを[title]に含める改善を実施
結果、クリック率が向上しました

[extra_bdg]の場合(Criteo)
エクストラバッジ [extra_bdg]とは:
Criteo の[extra_bdg]は、商品の画像にバッジをつけることで、情報の視認性や訴求力を高め、ユーザーの注目度を高めることができる改善策です。
[extra_bdg]の改善案を考える際のポイントは、テキストや画像といった他の項目では伝えきれない情報の拡充や、視認性の向上がしっかりと図ることができているか、という点です。

[extra_bdg]活用事例:
特定商品の前面訴求:「人気商品」「送料無料」「セール」「新着」といったバッジを付与し、特定の商品を前面に打ち出す
ブランド訴求:複数のブランドを取り扱っている場合、ブランドロゴをそのままバッジとして表示することも有効です

バッジとして表示する情報の探し方:
バッジとして表示する情報をどのように探していくか、一つの方法をご紹介します。
サイト内のパンくずリストやサイドナビゲーションの確認:
EC サイト内のパンくずリストや商品ページのサイドナビゲーションを見て、「新着」「Web 限定」「セール」などの訴求軸がないかを探します
これらの専用ページがある場合は、その新着や限定のものをバッジとして使えそうですし、その専用ページに含まれている商品を確認することで、どの商品にそのバッジを付与すれば良いかというところも確認できます
マスターデータでの実現可能性確認:
タイトルの時と同じように、マスターデータを確認し、バッジとして表示させたい情報に対応する商品を判定するフラグや情報があるかを確認します
例えば、「新着」バッジを付与したい場合、マスターデータに「販売開始日」のような情報があれば、「この値が 1ヶ月以内の場合に新着バッジをつける」といった条件設定が可能です
また、「Web 限定」のカラムに「1」という値があれば Web 限定商品とする、といった規則性があれば、同様にバッジ付与の条件にできます
このように、サイト上から商品の訴求ポイントを見つけ、それがデータ上でどのように管理されているのかを紐解くことで、打ち出したい商品に絞ってバッジの訴求を活用していくことができます。
[extra_bdg]改善による広告成果向上事例:トラベル・スタンダード・ジャパン様
ツアー情報に「一押し」「おすすめ」などのバッジを付与することで、クリック率が 20%向上しました。

[product_type]の場合(Google ショッピング広告 / Criteo)
商品カテゴリ [product_type]とは?:
[product_type]は、これまでのタイトルやバッジとは異なり、クリエイティブに直接表示されるものではありません。こちらは広告媒体の裏側の機械学習に使われる項目です。
Google や Criteo のレコメンドエンジンは、ユーザーが閲覧した商品や購入履歴などの情報を踏まえ、ユーザーごとに最適な商品を判断しレコメンドしています。レコメンドエンジンがどのように学習するかという点で、この[product_type]が重要な役割を担っています。

推奨される設定方法:
異なる 3 軸の情報で設定する:単純に「シャツ」と設定するだけでなく、「シャツ×メンズ×ブランド名」のように、異なる3つの情報を組み合わせて設定することが推奨されています。
このように情報量を増やすことで、ユーザーの趣向を具体化することができ、機械学習が促進されやすくなりますレコメンドの軸と設定項目の考え方:どの情報をレコメンド軸にするかは、サイトの特性やユーザーの閲覧軸に合わせて設定することが非常に重要です。
例えば、1 つのサイトに複数ブランドがある場合は、ブランドでレコメンドしてほしいという要望があるかもしれません。その場合はブランドを軸として設定します。
同じ商品カテゴリーの中でも価格帯ごとに購入するユーザーが違う場合は、価格帯の情報を入れるという考え方もあります

このように、どの項目を設定するのかはサイトや商品特性によって様々に変わってきますので、どの情報が適切なレコメンド軸なのかをその都度検討していくことが大切です。
粒度の重要性:
プロダクトタイプを設定する際は、同じカテゴリに該当する商品がどのくらいあるか、という「粒度」も非常に重要なポイントとなります。
粒度が広すぎる例:例えば「衣類」と設定した場合、アパレル企業の EC サイトではほとんどの商品が「衣類」に当てはまってしまい、最適化が効きづらくなります
推奨される粒度:この場合、トップス、ジャケット、スカートなどといった「中くらいのカテゴリー」を設定すると良いです

粒度が細かすぎる例:逆に細かすぎる場合も最適化が効きづらくなります。例えば、商品の「価格」をそのまま設定してしまうと、粒度が細かくなりすぎてしまいます
推奨される粒度:その場合は「価格帯」として、ある程度の幅を持たせた状態で設定できると、最適化が効きやすい粒度になります

提案を考える際の 3 つのポイント:
プロダクトタイプの改善提案を考える際は、以下の 3 つのポイントに焦点を当てて検討すると良いでしょう。
異なる 3 軸の情報で設定されているか
自社の特徴や戦略を踏まえた「レコメンドの軸」となる情報が含まれているか
広すぎない狭すぎない粒度で設定されているか
レコメンド軸となる情報の探し方:
レコメンドの軸となる情報をどう探していくかについては、クライアント様に直接聞くという方法も有効ですが、サイト内でその商品がどのようにグルーピングされているかを確認することでも、使えそうな情報を探すことができます。
[extra_bdg] の説明と同様に、サイト内のパンくずリストやサイドナビゲーションを参照しながら、カテゴリー、ブランド、性別、またテイストなどのグルーピングから、ユーザーがサイト上でどのような情報軸において購入商品を検討しているのかを想像しながら考えていくと良いです。

マスターデータを確認する:
「ここが検討軸になりそうだ」というイメージが持てたら、マスターデータを確認し、レコメンドのデータとして使えそうな情報があるかを確認します。
改善として整理する際は、タイトルと同様にビフォーアフターの形で整理すると分かりやすくなります。
プロダクトタイプの設定の粒度については、Excelなどでマスターデータを確認する場合、フィルター機能で特定の値で絞り込み、どれだけの商品が同じカテゴリに属するのか、個数を確認することで、適切な粒度になっているかを確認できます。

[product_type]改善による広告成果向上事例:アイブリッジ様の事例
本記事でご紹介した内容を踏まえて[product_type]を適切に設定した結果、最適なレコメンド配信が実現し、CPC が削減されるなどの効果が見られました。

新規提案時のデータフィードに関するご支援について
「改善提案の方針や、クライアント様のサイト、現状のフィード運用がどうなっているのか、不明な点が多い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
フィードフォースでは、単純にデータフィードの管理環境をご提供させていただくだけでなく、提案時のサポートも実施しております。
多くの場合、広告代理店様からは案件を受注されてから相談いただくケースが多いのですが、実はもっと前の段階から相談いただくことも可能です。
具体的な支援内容としては、フィード提案の「壁打ち」、配信中のフィードがどのような形で配信されているかを診断する「フィード診断」、今後より効果を上げるためのマスターデータ整備に向けた「要件定義」などを支援させていただいております。
比較的柔軟に対応させていただきますので、まずはご相談ください。

相談いただくイメージとしては、提案前に一度お声がけいただき、一緒に作戦会議をして、差し支えなければ提案の場にもご一緒させていただくことで、案件受注までをサポートさせていただく、という流れを想定しております。

相談時の必要情報:
事前に以下の 4 点をご共有いただけますと、よりスムーズなご案内が可能です。
対象サイトの URL
現在/配信予定の広告メニュー
想定されているスケジュール感
現在のフィードデータ、変換元の商品マスターデータ
ぜひお気軽に相談ください。
Q&A
Q. 商品数が複数ある中で、一部の商品からしか実施ができない場合、全アイテムを使用できずどのように取り組むと良いでしょうか?
EC サイト上に複数の商品があるにもかかわらず、広告配信は一部の商品に限定されるという状況ですね。Google ショッピング広告や Criteo では、最初は全商品を配信することが推奨されています。
しかし、何らかの事情で一部の商品しか配信できない場合、一つの解決策として Google ショッピング広告の場合でお話をさせていただきます。
EC サイトと Google マーチャントセンターを連携される際、Google マーチャントセンターには全商品を連携できるという前提でお話しさせていただきますと、カスタムラベルという機能を利用できます。
このカスタムラベルを使って、配信対象とする商品にのみラベルを付与することで、それらの商品をグループ化することが可能です。
その後、広告キャンペーン側で、カスタムラベルが付いた商品の予算を上げるなどの調整を行うことで、限られた商品での配信効果を最大化できると考えます。
Q. 送料無料、何日まで無料配送と、意図は同じだが文言に規則がないテキストをタイトルから消した場合、ルールの作成などはできるのでしょうか?
dfplus.io をご利用のお客様からのご質問としてお答えします。
結論から申し上げると、可能です。
dfplus.io では、特定の文言を指定して削除するルールを設定することが可能です。
具体的には、対応表機能を利用し、削除したい文言(例:「送料無料」「無料配送」)をキーとして設定し、その置換先を空白(スペース)にすることで、該当の文言を消去することができます。





