
自動車販売業界の新たな集客手法である「Google 車両広告(Vehicle Ads)」をご存じでしょうか?
Google 車両広告は、新車・中古車のメーカー名、モデル、価格、走行距離、販売地域といった情報を、画像とともに検索結果の上部に表示できる広告フォーマットです。すでにアメリカやイギリスなどの海外市場で導入が進んでおり、オンラインでの自動車販売や店舗への来訪を促進する手段として注目を集めています。(※現在、日本では未提供です。)
本記事ではこの広告について特徴・仕組み・海外事例を解説していきます。

引用元:https://blog.google/products/ads-commerce/introducing-vehicle-ads/
1. Google 車両広告の特徴
自動車購買行動のデジタル化で、オンライン広告が重要に
近年、自動車販売におけるデジタル活用は大きく進展しています。調査[^1]によれば、アメリカでは新車購入者の 89% が購入前にオンラインで情報収集を行っており、2021 年時点では 16% が実際にオンラインで車を購入しています。これは、3 年間で 16 倍もの伸びとなっており、自動車の購買行動が急速にデジタルへと移行していることを示しています。
日本市場でも、こうしたデジタルシフトの動きが見られます。グーネットやカーセンサーといった中古車情報サイトの普及により、事前にオンラインで在庫を検索・比較し、販売店に問い合わせる方も多いと思います。また、新車販売においても、大手自動車メーカー各社が公式サイト上でオンライン見積もりや商談予約といった機能を提供するなど、来店前に情報を収集できる環境が整ってきています。
こうした背景を受けて、オンライン広告は自動車販売において、これまで以上に重要な役割を担うようになってきています。
一方で、購入の最終判断や契約、納車といったプロセスについては、依然として対面でのやり取りが中心となっているケースが多く[^2]、「情報収集はオンライン、購入はオフライン」という傾向が伺えます。
画像・詳細情報で購入意欲の高いユーザーにリーチ
Google 車両広告は、Google 検索結果に表示される従来のリスティング広告(テキスト広告)と比べ、写真つきでわかりやすく訴求できるため、より効果的にアプローチすることが可能です。
実際、Google 車両広告の CTR(クリック率)が、テキスト広告と比較して 25% 高いという実績も紹介されています(イギリスの例)[^3]。
位置情報を活用して来店・試乗予約を促進
Google 車両広告では、ユーザーの位置情報にもとづいて、ユーザーのいる場所の近くにあるディーラーの広告が表示されます。そのため、近隣の販売店への来店や試乗予約など、オフラインでのアクションにもつながりやすくなっています。
Google 車両広告は CPA-30% と効果的
こうした特徴により、従来のリスティング広告と比べて CPA(顧客獲得単価)が 30% 削減されたという報告もあります[^3]。
以下は、リスティング広告と Google 車両広告を比較した表です。
リスティング広告 | Google 車両広告 | |
|---|---|---|
クリエイティブ | テキストのみ | 画像や価格などをわかりやすく表示 |
広告作成の手法 | 手動での広告作成が必要 | 車両データフィードから自動生成 |
レコメンド精度 | 設定した検索キーワードにもとづいて表示 | 車種や条件など、ユーザーの検索クエリにマッチする車両を表示 |
2. Google 車両広告を配信する方法
Google 車両広告の仕組みは以下の通りです。
用意した車両データをもとに、車両データフィードを作成
Google Merchant Center に車両データフィードを登録し、Google 広告アカウントを接続
Google 広告アカウントで広告キャンペーンを作成
車両データフィードの情報を元に、自動生成された広告を配信

※Google 車両広告配信までのイメージ
Google 車両広告を配信する上で最も重要なポイントは、広告の内容が、車両データフィードに登録された情報をもとに、自動で表示されるということです。
そのため、広告配信の準備にあたっては、データを適切な形で用意することが必要になります。
広告に使用する車両データを Google に送信するための管理プラットフォームが、Google Merchant Center です。Google 車両広告を実施するには、Google Merchant Center に車両に関する情報を「車両データフィード」として登録し、それを Google 広告と連携させる必要があります。
3. Google 車両広告に必要な車両データフィードとは
車両データフィードとは、メーカー名、モデル、走行距離、価格、在庫の有無、車両の状態などの情報を入れたデータと、それを定期的に Google に送信する仕組みのことです。
こうした情報は、Google が定めたフォーマットに沿う必要があります。データが不足していたり、形式が誤っていると、広告が適切な形で配信されなかったり、審査に通過せず配信自体できない原因になることもあるため、注意が必要です。
また、車両データフィードでは、在庫や価格といった日々変動する情報を、なるべく最新の状態で反映することが求められます。特に中古車販売のように、在庫の入れ替わりや価格の変動が頻繁に発生する商材では、こうした情報の更新をスムーズに更新できるかが、運用上の大きなポイントとなります。
すでに在庫のない車両が広告に表示され続けてしまうと、ユーザーが興味を持ってサイトを訪れても来店や購入につながらず、結果的に広告の費用対効果が悪化してしまいます。こうした機会損失を防ぐためにも、在庫や価格の更新に柔軟に対応できる運用体制を整えておくことが求められます。
4. 車両データフィード管理の選択肢
車両データフィードの管理方法には、いくつかの選択肢があります。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の体制や車両点数、更新頻度などに応じて、最適な方法を選ぶことが大切です。
管理方法 | コスト | 工数 | 調整しやすさ |
|---|---|---|---|
手動作成( Excel など) | 〇 | × | × |
システム開発 | × | 〇 | × |
アウトソース(外注) | △ | 〇 | △ |
フィード管理ツール | 〇 | △ | 〇 |
管理方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
手動作成(Excel など) | コストをかけずに始められるため、車両点数が少ない場合に有効 | 車両点数や更新頻度が増えると、作業負荷が高まり、ミスが発生しやすい |
システム開発 | 大規模・高度な要件に対応できる | 初期コストや開発期間が大きく、柔軟性に欠けることも |
アウトソース(外注) | 社内リソースやノウハウがなくても運用できる | 外注先とのコミュニケーション工数が高くなりがち |
フィード管理ツール | 担当者の手元で柔軟に調整でき、属人化しにくい | 初期設定など、一定の工数が必要 |
※車両データフィードの管理方法 比較表
6. さらに詳しい情報はこちら
Google 車両広告の詳細にご興味のある方は、ぜひ下記よりお気軽にお問い合わせください。データフィード管理に関するご相談も随時受け付けています。
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[^1]: [Google/Kantar、Gearshift Study、米国、2021年、新車購入者1,408人](https://blog.google/products/ads-commerce/introducing-vehicle-ads/)
[^2]: [Overall Sales Satisfaction is Lower among Used-Vehicle Shoppers than New-Vehicle Shoppers, J.D. Power Finds](https://www.jdpower.com/business/press-releases/2024-japan-used-vehicle-sales-satisfaction-index-uvssi-study)
[^3]: [Don’t Get Left In The Dust: A Full Guide To The New Google Vehicle Ads.](https://brightsprout.co.uk/a-full-guide-to-the-new-google-vehicle-ads/)





























